「きゃー、こんな人気のないとこにつれてきて、ナニヲスルツモリー!」


「どこがだっ。普通に車の通りはあるじゃないかっ」


棒読みわざとな私の台詞でも、運転席の彼は顔を赤らめているようだった。


夜だろうと店の明かりやら、行き交う車のライトで、そのいじりがいある顔が見え、笑ってしまう。


「冗談だよ。でも、あなたがそうしてくれることに期待」


「しない。互いに明日、仕事じゃないか」


「そう言ってたら、一ヶ月以上はレスになっちゃうじゃん。互いに忙しいわけだし」


「我慢しろ」


「欲求不満」


「女のお前が言うのは違うと思うが……」


夜にドライブのみというこのデートも一週間にあるかないか。真面目超えた生真面目彼氏は、どうにも三大欲求をなきものとしたいらしい。