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「んー…と、簡単に言うとボクが記憶を取り戻したらルイさん……じゃなくて、奈央…さんの記憶がなくなるんだね」

今までに話されたことを簡単に言うと、奈央さん（呼び捨てでもいいかな）とおかあさんは目を丸くしました。

「流石私の娘…賢いのね…」

なにか大切なものを見るような目付きで此方を見ると、柔らかく微笑むおかあさん。

「本来ならふたり揃ってこの世界に生まれる予定だったのに、《乃愛》の前世である少女が運命を歪めたせいで別々に生まれてしまったのか…」

独り言のように呟くと真摯な眼差しでおかあさんを見る奈央。その視線を横目で捉えると、お母さんは少し寂しそうにボクを見ました。

「…その、さっき言ってた花耶さんって人は今『if』世界にいるんだね？」

「そうよ。……花耶とifの奈央は『if』世界で今同じ説明をされてるはず」

そこまで言うとお母さんは息を吐きました。