この期に及んで、まだ嘘をつこうとする
かなえの唇を、強引に奪う。



「やめて……っ」


「やめてって顔じゃないでしょ、それ」



顔真っ赤にさせて、瞳潤ませちゃって。



誘ってるの?



「も……なんなのよ…っ」


「それ、こっちのセリフ。なんで俺のこ
と避けんの」



避けられる意味がわからない。



俺が納得できる理由が言えるんだったら
、解放してあげたって良いけど。



「……っあんたは他の女の子とイチャイ
チャしてればいいじゃん!」



───は?



かなえの口から出てきたのは、信じがた
いような言葉。



「……どういう意味だよ」


「だって……!」