†ゆぅぱぱ。完結作品SS集†





「……なんのこと。音夜の隣が空いてな
かったから、仕方なくですけど」



いつものような甘ったるくてイラつく猫
なで声じゃなく、素っ気なしにそう言う
北野。



ていうかこの二人は、一体なんのことを
話してるんだよ。翼も不思議そうにして
るじゃんか。



「……とっとと素直になればいーのに」


「……っ…うっさい!」



相変わらず可笑しそうにクツクツと喉を
鳴らして笑う音夜に、不機嫌そうな表情
のまま、顔をほんのり赤らめる北野。



え、ちょい待て。まさか───。



「音夜、北野に鞍替えしたの?」



もしかして北野を好きになっちゃったの
?え、嘘でしょ。



だけど音夜はそんな俺を呆れたように見
つめるだけで。



「……ほんと、おめでたい脳ミソしてる
よな」



とため息をついた。