俺はそんな女の子に、困ったように笑っ
て見せた。



「……未練タラタラで、ごめんな」



それを聞いたその子は、ぼろぼろと涙を
溢して。



そこから去る途中で、どこかに隠れてい
たらしい友達に慰められているのが見え
た。



クラスに戻ると、三年になって新しく友
達になった燐(りん)が俺を出迎えた。



「よっ、もて男~♪」



ヒューヒューと言いながら俺を冷やかす
燐を、ちょっと睨んだ。



「……やめろよな、もう」


「はは、冗談だってー。……てかやっぱ
り断ってきたのか?」


「……うん」


「あのこ結構可愛いって有名なのにー」



ケラケラと笑う燐。



「可愛いだけじゃ……付き合えない」