白く柔らかそうなその頬を人差し指でつ
ついてみれば、こそばゆそうに眉を潜め
たから。
なんだか俺の気持ちまでくすぐったいよ
うな気持ちになって。
赤くなってしまった頬を誰にも見られな
いように、参考書に目を落とした。
だけどそんなことをしても無意味で、意
識は椎名の方にばかり傾いてしまって。
吐き出すことの出来ないこの気持ちを、
いつまで燻らせておけばいいのか、なん
て思いながら。
横から漂う女の子らしい香りに、理性が
切れてしまわないように、キツく拳を握
りしめたんだ。
あどけない君の寝顔は、最早トラップで
しかない。


