ホテルのスプリングは、サスペンション がよくきいていて、ギシギシと軋みなが ら揺れる。 純白のシーツに身を預ける恋那が、苦し いくらい綺麗で。 俺は彼女の横に肘をつきながら、恋那を ジッと見つめた。 だけど恋那は、俺を見ているようで見て いない。 遠いどこかに、意識を飛ばして―――。 こっち見て。 俺だけを見て。 だけどそう願うのは、あまりにも我が儘 な気がして、俺は喉の奥まででかかった 言葉を飲み込んだ。 さら……と恋那の前髪を触り、頬にかか る髪の毛をそっと退かす。