―――冬のある日。 それが俺と夏希の最終計画。 「私が光弥を誘惑するから、その隙に、 あんたは椎名をホテルにでも連れ込んで ?」 夏希の出した作戦はあまりに無謀で、驚 いて目を見張ってしまう。 ―――無理だ。 「夏希、俺は―――」 「いいの?」 俺にはそんなこと、出来ないよ。と言お うとした俺を、妖艶な笑みで見つめ返す 夏希に、言葉が詰まった。 彼女の瞳にも言葉にも、逆らえず。