だけどあの日、恋那は容易く俺の壁を、 壊していった。 傷付かない予防線は、簡単にあいつに溶 かされた。 あの日、熱を出した時から。 好きだって。愛してる……って。そう、 強く願ったんだよ。 それと同時に、苦しくもなった。 きっと恋那の中の俺は、明るくて人気者 っていう印象なんだろうから。 恋那が見ているのは、うわべだけの俺だ から。 そう思うと―――苦しかった。