†ゆぅぱぱ。完結作品SS集†





気付いたらこうだったんだ。



人の機嫌を取っていれば。明るくたち振
る舞って、適度な目立ち方をしていれば




生きていくことが、らくだった。



穏やかな流れに乗って、浮遊していれば
誰にも文句を言われず、慕われた。



騙してたんじゃ、ない。



だけど西山の声が。言葉が―――。



一生解けない呪文のように俺に付きまと
った。



親父の転勤で引っ越してからも、ずっと




弱味を握られて、身動きすら、取れず。



―――『国立光弥って居る?』