最後に、とびっきりの色気を含ませた声
でそう囁くと、委員長は力が抜けたよう
に、耳を手で覆いながらふにゃりとその
場に座った。
昔遊んでたおかげで、こういう技術は身
に付けてる。
「も……、香坂のばか……。こんな教室
の真ん中でそういうこと言うの、やめて
よね……!」
教室の真ん中で、って言ったって、耳元
で囁いてただけなんだから、他の奴にな
んて聞こえやしないのに。
「──そういうことって、なに?」
「──っ!そ、その声やだ!」
委員長の耳元でまたそう囁くと、そう言
いながら飛び退く委員長。
俺はそんな委員長にクスッと笑ってから
、まだ座り込んだままの委員長に手を差
しのべた。
「帰ろう、希美」
「……結局、呼び方は変えてくれないの
ね」
変えるわけ無いじゃん?
こんなに可愛い委員長を見つけちゃった
んだから。


