†ゆぅぱぱ。完結作品SS集†






「──希美」



──その日の放課後。


俺が委員長の傍に近づいて、委員長の事
をそう呼ぶと、委員長が俺を見つめたま
ま固まった。



……そんなあからさまに驚愕しなくても




「希美」

「……えっ!?なになになに!?」



大袈裟に慌てながら、キョロキョロと辺
りを見回す委員長。



……もう、呼んでるこっちが恥ずかしい
んですけど。



名前で呼ぶだけなのにこんなに照れるな
んて、ほんと俺、どうしたんだよ。



女の子を名前で呼ぶのなんて、前の俺な
ら普通だったのに。



「なにキョロキョロしてんの」

「え、どこかにカメラでも仕掛けられて
るのかと思って」



ドッキリじゃないんだから、そんなのあ
るわけ無いでしょ。