委員長を途中まで送ってから、家に入り
、俺はため息をつきながら、自分の部屋
のベッドに腰を下ろした。
もともと緩んでるネクタイに指をかけ、
するりと抜き取り、ベッドの傍らに放る
。
「……はぁ」
二度目のため息が、大きく響いた。
俺の心がこんなにもモヤモヤしてる理由
。それは、本当に下らない事で。
委員長が、市原に「希美」って呼ばれて
ることと、委員長が市原を「和馬君」っ
て呼んでる事が気に入らない。
小さなやきもち。
でも、端からみると本当に、委員長と市
原の方が恋人同士みたいで……。
なんか、悔しい。
わかってる。委員長がもう市原にそうい
う感情を抱いていない事も、あの二人は
幼なじみだから仲が良いだけだって事も
。
でも、それでも、委員長をもっと独占し
ていたくて──。


