今井の彼女は、女子バスケ部の同級生。 さっぱりとしたショートカットで、男の 子っぽいけど、クリッとした唇とか、笑 うと浮かぶ笑窪とか。 ふとした隙間に見せる女らしさに、もう 俺は――……嵌まっていた。 だけど多分きっと。 叶うことなんて、無いんだろう。 伝えるつもりも――無いなら。 「あ、一個忠告するけどなぁ、夏希ちゃ んはやめときぃ?痛い目見るで~」 いきなり方便になったのは、学校が近付 いてきたから。