一通り話終えた俺に、呆れ顔で皐がそう言った。 「そんなくだらねー嘘つくなよ」 「だってさ、四月一日についた嘘は──」 ──♪〜…… ふとその時、俺達の話を遮るかのように、着メロが鳴り出して。 悪い、俺。と皐はスマホを取り出すと、指で手早く操作して、耳に当てた。 「……なに、どうしたの」 あ、電話の相手は杏子ちゃんか。 皐は杏子ちゃんのことになるとすごく分かり易い。表情がいつもよりも柔らかくなって、声も優しくて。 ──けど。 「は?吉馬?」 皐はそう言うと、少し不機嫌そうな顔になった。