……チッ。タイミングわりぃな。
ちょっと眉をしかめながら、なんとなく
澪を目で追っていたら、更に眉をしかめ
る結果になった。
だって澪に手当てしてもらってるのは、
男だったから。
しかも澪に手当てしてもらって、すげー
嬉しそうだし……。
澪の男嫌いはほとんど完治した。
本人はそれを喜んでいるが、もう俺は、
気が気じゃない。
いっそのこと、ずっと男嫌いのままでよ
かったのに。
そんなことを思いながら澪と男を無意識
に睨み付けていたら、
「いいなー、澪ちゃんに手当てしてもら
えるとか」
「俺も触ってほしー」
「わざと怪我しよっかな」
なんて声が聞こえてきて。
ギロッとそいつらを睨むと、慌てて視線
を逸らしていった。


