お絵かき、ね……。
「んじゃ、クレヨンとか持ってくるから
、ちょっと待っててな」
こいつらの遊び道具は全部、二階の子供
部屋にある。
だから俺は、弟たちにそう言い残し、二
階へと上がった。
「んーと……ああ、あったあった」
お目当ての物を見つけた俺は、それを手
にしたまま、一階へと下りようとした所
で。
「やっ……さ、向坂君……!」
と、そんな声が聞こえてきて、思わず足
を止めてしまった。
ちらっと空兄の部屋の方を見ると、僅か
にドアが開いていて。
俺は好奇心で、そちらへと歩み寄った。
すると……。
「あっ……、駄目だよ、向坂君……」


