昨日は帰るなり驚いた。 何せ遠くへ引っ越していった昭が、俺を訪ねてきたと聞かされた。 「!」 バイブと着信音が鳴り、「青木 昭」という名前が表示された。 「もしもし」 『おはよう。慎で合ってる?』 「ああ」 自分でも驚いた。 声を聞いて懐かしいと思わなかった。 俺が知っている声が、声変わりする前の声だからか。 『良かった。久しぶり。今日もし暇だったら会わないか?』 「うん、会おう。じゃあ無難にカラオケでも行くか」