『ってか。お前電波かって本気で心配されそう』





友達の反応を予想しながらクスクスと笑っていた。





しかし、徐々にその笑いはかわいたものになっていき、ツーッと頬を何かが伝った。





――――帰れないかもしれない。





その考えが生まれた所為なのかもしれない。





生暖かい何かは何本もの線をつくりながら流れた。





『明美(あけみ)……。ごめんね』





久しぶりに言ったような感覚になった。友達の名前を言って懐かしい気持ちになった。





その気持ちは恐怖として私を襲った。未来での出来事がほんの数時間前のことが過去になり始めている。




それがたまらなく怖かった。