試合が始まって少したった。当初僕たちは瞬殺であろうと高をくくっていた。 しかしどうだ。 目の前で繰り広げられている接戦に僕たちはあっけに取られていた。 平助君と互角、いやそれ以上の力を彼女は持っていた。 現在押されているのは平助君。だって彼の顔 「苦しそうな顔してるね平助君。彼女なんてまだ息も上がってないのに」 余裕の笑みを見せる彼女に、戦っていないはずの僕はひどく恐怖心を抱いていた。 ならば、今戦っている彼にはどれほどの恐怖が押し寄せているんだろうか。 考えたくもない。