「俺も後悔したくないんです」 『……わかった。一緒に行こう』 二人は、夜の闇を切り裂く光のような速さで池田屋に向かった。走りながら、南は後ろを振り返った。 『今更だけど、本当に良かったの??』 「副長の命についてですか??……切腹覚悟です」 遠い目をしながら、菊池は呟くように言った。 『……大丈夫だよ菊池君。俺が守るから安心して』 菊池は一瞬キョトンとすると 「組長殿なら、安心して命をたくせます」 薄っすらと笑みを浮かべた。