障子を壊れる勢いで開け外に飛び出した南を、一人の男が止めた。 「何処へ行く気ですか。組長」 『……菊池君』 いつもの無表情を引っさげて、菊池は立っていた。 『さっき隊士たちが、走って屯所の入り口に向かっていった。何があったの??』 「……お体に触ります、お部屋にお戻りください」 『……菊池』 菊池の肩が微かに揺れる。ジッと見上げる南に彼は動揺の色を隠しきれない。 いつものヘラヘラした南とは違う。 雰囲気からそう察する事が出来たからこそ、菊池は動揺が隠せなかったのだ。