「なにボーっとしてんのさ」




沖田さんにおでこを指で弾かれて意識が戻った。




目の前には、大きな門。門の左右には一人づつ浅葱色の羽織を着た隊士らしき若い男が立っていた。



『着いたの?』




「ん?あぁ着いたぜ。総司羽織もってくから脱げ。ついでに土方さんとこ行くんだろ?」




「そのつもりだよ。有難う」




沖田さんは、来ていた羽織を脱いで藤堂さんに渡した。





ひ、土方さん。泣く子も黙る新撰組の副長様。




どうしよ……私泣くかもしれないんだけど。怖すぎて……。