沖田side 「ねむった、みたいだね」 自分の手を、弱弱しい力で握る手の持ち主である南に、視線を向けた。 肝が冷えるほど焦ったよ、まったく。 沖田は記憶を思い返し、乾いた笑みを浮かべた。 巡察をし終え、帰ろうとしているとき。二人の隊士が走ってきた。 沖田は、その二人の話を聞いて、一目散に走り始めた。 “十一番組が、浪士と戦っている、援護をお願いします” 嫌な予感しかしなかった。 急いで走って、なんとか目的地に着くと、倒れた南に浪士が斬りかかろうとしていた。