ニヤッと女が笑う。その後ろに、下卑な笑みを浮かべる数人の男がいた。 ツーッと背中に冷や汗が流れるのを、南は感じた。 「緋鏡【ヒキョウ】後ろに居てはる人は……」 格好からして、このお店の女郎らしき女は、どうやら片華さんの知り合いのようだ。 緋鏡と呼ばれる女から、笑みが消える。女の白く綺麗な指がスッと動く。その指は、片華を捉えていた。 「新撰組に密告した女郎はあいつどす。斬っておくんなまし」 女の冷酷という言葉が似合うほど、冷たい声。その言葉の意味を理解した片華は目を見開いた。