「座敷を颯爽に用意させます。……誰かこの人を上客用の座敷にご案内を!!!!」 それを聞いた、店の従業員みたいな人たちはピッチを上げてせかせかと動き始めた。 こんな予定ではなかったのに……。 『あ、あの……私一人じゃないんですけど。あの、上客用の座敷って……』 「いえ、御気になさらず。お連れのお客様方も、ささっどうぞ」 なんだかんだで、座敷に上げてもらえるようだ。 皆吃驚したように私に視線を向けた。その視線に気がついた私は、気まずく目を逸らした。