―――…
いつの間にか、雨が降ってきたようだ。
雷の音も、少しずつ近づいてきているように感じる。
「…ヒメ、ヒメが思ってること、教えてほしい」
泣いているヒメを抱きしめたまま、俺は小さく囁いた。
腕の中でモゴモゴしているヒメは、困ったように目を泳がせていた。
「…ヒメ」
「…っ」
「俺は、ヒメが可愛いよ」
ぎゅっと、腕に力を込めた。
「…わ、たしは…、可愛くなんかない…。かわいくない…!」
「…なんでそんなこと言うの?それは俺が決めることだよ」
「…っ」
「好きな子は、可愛く見えてしまう」
「…!」
ヒメの肩が、また震えだした。
…また、ぶり返したんだろう。
告白したのは、俺も初めてなのに…。
でも、伝え方なんて、知らなかったんだ。