「やったぁ!勇気だして呼び出してよかった!ありがとうナツくん!!」
「…い、いえ、これくらい……」
よかった、よな? これで…。
返事も強要してないみたいだし。
「じゃ、じゃぁ俺はこれから帰るから…」
「うん!わざわざ来てくれてありがとう!好きだよナツくん…!!」
…おうっふ。
「また明日ねー!」
カーテンがひらひら舞っている中で、佐々木さんは最後まで手を振っていてくれた。
―――…
シューズを履いて、家に近い門から学校を出た。
昨日と同じ様な空が広がっていて、登下校者もピークに達している時間帯。
1人になると、思い浮かぶのはヒメのこと。
…ヒメ、大丈夫かな。
帰ったら、様子見てみよう。
まだ怒ってたら、理由聞いて謝らなきゃ。



