綿菓子と唐辛子




放課後の保健室は、カーテンから差し込んだ光がキラキラなびいていて綺麗だった。

料理部には気分的にも休むことを伝えた。環には怒られたけど。
なんとなく、そんな気分じゃないし。今日はサボり。


「…失礼しまーす…」



シューズを脱いで、保健室に入る。

そこには、ツインテールをした女の子が座っていた。


えーっと…。この子…で、いいのかな。佐々木さんって。



「…あ、こ、こんにちは…!!」



びくっ。



いきなり大声で挨拶されるもんだから、思わず体が飛び跳ねる。
ツインテールが揺れて、いい匂いがふわっと広がる。

…この子が、男たちの間で有名な…。


「あ、あの!私、佐々木琴音って言います!あの、ナツくんのことは、入学した時から知ってて…あの…っ」


…あたふたしている。照れた時のヒメみたいだ。