綿菓子と唐辛子




「…おいナツ、オリーブオイルはあるのか」

「え?」


ヒメの小ささに驚いていると、大きな目が俺の方を向いた。キラキラしている。


「…トマトにモッツァレラチーズ、バジルがあるなら、オリーブオイルをかけてカプレーゼが出来るな」

「…………」



………へ………。



「ほら、早く行け。後輩待たせてるぞ」

「……」


……コイツが……。

カプレーゼの作り方を…。いや、カプレーゼなんてトマトとチーズ切って並べてかけるものかければサルでも作れるものだけども。

俺のの考えてることを先に言うとは…。なんなんだコイツ、やっぱり料理好きなのか?


女の子、じゃん……。



「…今日は、カプレーゼサラダとアマトリチャーナを作る」

「わー!イタリアンは久しぶりですねー!いつも和食ばっかなのに〜!」

「部長、日本男子だったら和食を極めなければとか中二病くさいことばっか言って、いつも和食しか教えてくれないからー」

「うっせえ!お前ら黙れ!」


キャッキャと騒ぐ女達。
俺は、女特有のこの雰囲気と声が嫌いだ。

耳が痛くなる。キンキン言うな。


「とりあえず、トマトを薄く切って、皿が見えるくらい透明に切るのが美しく見せるコツだからな。それから、トマトの形も崩すなよ。包丁の使い方、注意しろ〜」

「「はーーい!」」



………さて、と。

俺もやらなきゃな。後輩たちばっかりに任せていられない。