「姫芽ちゃん、どうする?ナツに案内してもらったら?料理部」
「んー…」
南が優しい顔つきで、ヒメに話しかけている。それに対して、なぜか本気で考え込んでいるヒメ。
「は?!ヒメ、料理部入んの!!」
ガンっ……
「…っ!!」
言葉を発した後すぐに、すねを蹴られてしまった。
痛い。さすが弁慶も泣いたと言われるすね。
涙が出てきてしまった。ていうか足癖悪すぎだろ!最悪だ。本当に俺の周りの女の子たちは凶暴な子しかいない。
「…案内しろ、クソ男」
「…はいはい…。ったく、それが案内してもらう奴が言うセリフかよ…」
はー。
絶対やだ、こんな、怒った勢いで毒入れそうな奴。
命がいくつあっても足りねーよ…。
とにもかくにも、このゴジラ姫が案内しろと命令をするので、放課後俺は料理部を案内することになってしまった。
…そして俺は今日も、
こいつの意外な素顔を見てしまうのである。



