監禁されて、3ヶ月後。
姫芽は、犯人が酒で泥酔して寝ているのを見計らって、自ら飛び出して来たようだ。
…犯人の家から、俺たちの学校まで、そんなに遠い距離ではなかった。
*
その日から、数日が経って、俺は姫芽との面会が許された。
カウンセリングなどを受けるために、精神科へ送り込まれていた姫芽。
姫芽の親たちの承諾も得て、少しの間、話をする機会を与えられた。
…その日のことを、俺は今でも、鮮明に覚えている。
白い部屋。鍵がかけてある部屋だった。
やっと、やっと、俺の前からいなくなった姫芽と面会できると思った。
やっと、会いたかったよって、探したんだぞって言えると思った。
…でも、それは、かなかわなかった。
「…………姫芽…?」
少しだけ、顔を見せた姫芽。
その表情は、俺の知っている姫芽とはまるで違っていた。
「……………姫芽」
「…………………」
腕に、巻かれてある包帯。
下をむいている目。まばたきも、していないんじゃないかと思った。
さらに痩せた身体。
ボサボサの髪。白いくちびる。
身体には何個もの傷と、アザがあって。
表情は、「無」だった。



