綿菓子と唐辛子




監禁されて、3ヶ月後。

姫芽は、犯人が酒で泥酔して寝ているのを見計らって、自ら飛び出して来たようだ。


…犯人の家から、俺たちの学校まで、そんなに遠い距離ではなかった。







その日から、数日が経って、俺は姫芽との面会が許された。


カウンセリングなどを受けるために、精神科へ送り込まれていた姫芽。


姫芽の親たちの承諾も得て、少しの間、話をする機会を与えられた。



…その日のことを、俺は今でも、鮮明に覚えている。




白い部屋。鍵がかけてある部屋だった。


やっと、やっと、俺の前からいなくなった姫芽と面会できると思った。

やっと、会いたかったよって、探したんだぞって言えると思った。



…でも、それは、かなかわなかった。





「…………姫芽…?」



少しだけ、顔を見せた姫芽。

その表情は、俺の知っている姫芽とはまるで違っていた。



「……………姫芽」

「…………………」




腕に、巻かれてある包帯。

下をむいている目。まばたきも、していないんじゃないかと思った。


さらに痩せた身体。
ボサボサの髪。白いくちびる。


身体には何個もの傷と、アザがあって。


表情は、「無」だった。