綿菓子と唐辛子






この事件が大きく動いたのは、中学3年の1月。


もう、全国ニュースになったことなんて、日本のほとんどの人たちが忘れている時だった。




「光太郎…………!!」



授業中、職員室に呼ばれた俺。

そこには、涙まみれの母さんがいた。



「母さん……?」



職員室の先生たちは、何やらザワザワと動いている。


クラスの奴らは、まだ普通に学校生活を送っているはずなのに、この場はまったくそれと違っていた。


鳴り響く電話の音。その対応に追われる先生たち。


…そして。




「あぁ…。君が本郷くんだね」




校長室から出てきた、スーツを着ていた男性たち。






「…落ち着いて、聞いてくれるかな」


「………」





「相坂姫芽さんが、見つかったんだ。君とは、少し話がしたい。一緒に来てくれるかい」



「………………………ッ!」






ほんとうに


意識もしないうちに、涙が出てくるとは、このことだと思った。