綿菓子と唐辛子



それから、冬になって、季節が変わっても、姫芽は俺の元に帰ってくることはなかった。


いつしか、テレビもそのニュースを流すことはなくなった。

ただ、地元では、嫌な噂は広がる一方で。



「もう、戻ってこないんじゃないかしら」だの、「男に飼われてるんじゃ」だの、そんな噂が町を覆っていた。


そんな中、警察はひたすら動いていて。

俺の親も、PTAの中に入って、ポスターの配布や掲示などを行ってくれた。




俺はただ、何もできない、無力な子どもだった。


姫芽がくるかもしれない、と、その一心で学校に通った。


からかってくる奴らは、喧嘩してねじ伏せた。

噂を流している女たちには、睨みをきかせて、ただ、姫が帰ってくるのを待っていた。




…ひたすら、待っていたんだ。


もう一度、この腕の中で、抱きしめる日を。