綿菓子と唐辛子




学校では、緊急PTA会議が行われていたり、朝会で挨拶があったり、登下校は、保護者が送り迎えをしたり。


当然、この小さな街で誰かが全国ニュースになったとなれば、噂が広がるどころの騒ぎではなかった。


マスコミも入れば、テレビも入る。


当然、俺もインタビューをせがまれたりしたけど、何ひとつ応える気にはなれなかった。



「相坂さんのところ、母子家庭だったんでしょう?もしかして、その内縁の夫とか…いたりしたのかしら」

「え〜?まさか。お母さんは今あの大きい病院に入院してるって聞いたけど?」




道を通れば、家の外でそんな話をしている奴らばっかり。


母子家庭がなんだってんだ。病気だからなんだってんだ。


…姫芽は、そんな噂を立てられるような女の子じゃない。


お前たちが、何も知らないだけだ。





「娘の話だと、カレシと一緒に遊びに出ていた日に、いなくなったとか」





そんなふうに、俺たちを言うな。




「え?カレシってクラスメートの子とかじゃなくて?もしかして、年上の男とかだったのかしら」






うるせぇ。 うるせぇ。





「…相坂さんって、確かに連れ去られてもおかしくないくらい、綺麗な子だったものね」







…吐き気が、する。