綿菓子と唐辛子




姫芽のお母さんは、予想通り、病院に入院をすることになっていたらしい。

姫芽の誕生日に、外出の許可を出していたのは事実だった。

仕事中、体調不良を起こして病院を受診したところ、かなりひどい発作だったから入院が決まったらしい。

それを、姫芽に伝えるために、電話をしてきた。


…そして、姫芽は言ったという。



『今からそっちに向かうから、待ってて!』



かなり、荒々しい言い方で、泣きそうな声だったと。

後から、警察から聞いた。




「光太郎、朝ごはん食べないの?」

「ん、いい…。いらない…」




減退していく食欲。
それでも、毎日吐きそうになっていた。


あの日、俺が姫芽を連れ出さなかったら。
あの日、俺が姫芽を追いかけていたら。


こんなことには、ならなかっただろうに。