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何か、悪い夢を見ているんじゃないかと思った。
『昨日の午後7時頃から◯◯県◯◯市の中学生・相坂姫芽さんが、行方不明となっています』
「……」
実感が、なかった。
今、目の前に出ているこの女の子が、俺の大切な、大好きな恋人だってこと。
初めは、地方のニュースでしか流れていなかったのに。
次の日、また次の日…と過ぎていくうちに、全国ニュースとなり、日本のほとんどの人が知っているんじゃないかってくらい、報道されていた。
『行方不明になった時には、◯◯市立豊田中学校の制服を着ていたようです。何か情報をお持ちの方は、下の番号まで、情報提供をお願いいたします』
「………」
…もう、その話は聞き飽きた。
また、どうせ、今日もなにも起きない。
情報なんて、提供されない。
そんな一日が、過ぎていくだけだろう。



