綿菓子と唐辛子







心配になって、急いで家に電話して、母さんに姫芽の実家の電話番号を教えてもらった。

ここで、どうして固定電話も登録していなかったんだと、後悔が募った。



『姫芽ちゃんとはぐれちゃったの?!お母さんもちょっと探してみるから!!』

「あぁ、ごめん母さん…」



すぐに、姫芽の実家に電話をかけた。

でも、それに誰かが応えることはしなかった。


水族館の店員に姫芽がいないことを確認してもらって、隅々まで探してもらって。


何かあったら、連絡くださいと、伝えて。



俺は、電車に乗って、とりあえず家の付近まで戻って来た。



「光太郎…!」

「…っ、母さん…」



駅には、父さんと母さんがいて。

手には、懐中電灯。
ずっと、近所を探してくれていたらしい。



「…母さん、どうしよう、姫芽が、姫芽…が…」

「光太郎、しっかりして。とりあえず、警察には届けておいたから」

「…っ」



ずっと握りしめていた携帯には、姫芽からの連絡が入ることはなかった。


もちろん、捜索をお願いしていた、水族館からの電話も。