イルカが、輪を通ることを成功させても。
海の中から思いっきりジャンプしても。
流れ星が流れても、エンディングが流れても、姫芽は、俺の前に戻って来なかった。
「姫芽………?」
心配になって、俺も会場を出た。
スタッフがいる通路。ここで何かあったとは思えない。
電話をかける。繋がらない。
メールをする。 返事がこない。
「姫芽ーーーーっ!!!」
何度呼んでも、叫んでも、そこに姫芽はいなかった。
「すみません!豊田中の制服をきた髪の長い女の子が通りませんでしたか?!はぐれてしまったんです…!!」
何度、放送で呼び出しても、もう、そこには姫芽はいなかった。
姫芽は、その夜、俺の前から、姿を消したんだ。



