「…そんな、怖い顔しないでくださいよ」 「…」 カップを置き、その喫茶店に不似合いなほど着飾っている本郷は、少し息を吐いて、話を始めた。 長くなりますが、最後までちゃんと、聴いてくださいね、と、前置きして。 「…今から、2年前のことです」 「……」 俺は、少しずつ、ヒメの内側に、裏側に、足を踏み入れていく。 「…中学生のころ、俺と姫芽は、恋人同士でした」 聞きたくないと思うことも、すべて、飲み込んでいく。