「ふぁー!流れる流れる」
流れるプールに入ったヒメは、興奮した子どものように、潜ったり歩いたり平泳ぎしたり。
普通のプールと違って、流れに沿って一気に進めるところが好きらしい。
「ヒメ、そんなはしゃぐと疲れるよ」
俺は、大きな浮き輪を引っ張りながら、必死にヒメの後を追いかけた。
…まったく。
ほんとそういうとこ、子どもっぽいっていうか。まぁそこも可愛いんだけど。
「ヒメ、せっかく浮き輪持ってきたのに、乗らないの?」
「え?」
きょとんとした顔で振り向くヒメ。
そんなヒメに、指差して浮き輪を見せると、彼女はキョロキョロと周りを見た。



