綿菓子と唐辛子



えへ、と 笑う彼女の手は、まだ震えていた。少しだけ、瞳がふるえていた。でも、少しだけ、ホッとした顔もしていた。


「……そーいうこと、って、どこまで?」

「……っ、どこまでって、それは…」


と、いうか。

ヒメ、今までちゃんと付き合ってた人がいたんだ…。

そんなことにも、少しビックリ。


「…キス?んなわけないよね」

「…っ」


ーーあぁ。

やっぱりそうなんだ。


…くそ、なんでだ。イライラする。


「…だ、だからなんというか、ほら、トラウマっていうの?もう、男の人と付き合うのなんかウンザリっていうか」

「…うん」

「……だから、女の子らしくしないように、しないように、って、生きてきたの」



……………本当に?


それが、本当のヒメの姿ってこと?