気分の悪いまま帰ったのがいけなかったのだろうか。
家に帰ったら、途端に腹痛に襲われた。
痛い。
最近ツイてないなぁ、と思うとさらに落ち込んだ。
ベットに潜り込みお腹を抱えてうずくまる。
もう、寝よう。
寝れば、嫌な気分も、腹痛も全部無くなってくれるかも。

ピーンポーン。

ゆっくりと目を閉じて意識を飛ばしかけていた時に、チャイムが鳴った。
なんてタイミングの悪い。
しかも今家には私一人だから私が出るしかない。
バットタイミングですよちくしょう。

ピーンポーン。

催促するようにもう一度チャイムが鳴った。
あぁもう、私はそう言って舌打ちしたい気持ちを抑えてドアへ歩いた。
お腹の痛みは心なしかさっきよりヒドくなっている。

「……よ。」

「何の用ですか。」

「お前よく出会い頭に人のこと睨めるな。」

「お腹痛いんですほっといてください。」

意外なことに、ドアの向こう側にいたのは先輩だった。
嬉しさ半分、怒り半分。
なんであの金髪青目の第二体育館にいた子と話してたのか、とかなんで私と一緒に帰れないとか言ったくせに私の家に来たんだとか言いたいことはたくさんあったけど。

「………赤玉腹薬持ってません?」

「状況は理解したからとりあえずお前は寝てろ。」