「俺も、最初は気付かなかったんだ。 風華をわざと傷つけているって。 でも、いつからか露骨に出すようになってきた。 だから、問い詰めたんだ。 そしたら、俺も利用していただけだと言った」 「本当に、利用していただけ?」 それも、酷い話しだ。 あたしを傷つけるために、他人を利用するなんて。 だけど、そうは見えなかった。 あの子は、本当に好きでいたのだと思っていた。 「たぶん。 でも、別れるって言った時、泣かれたけど」 「……えっ?」