あれから隣にいた王子は女の子達の波にさらわれ、あたしはそれを避けることに見事成功した
いまさらだけど王子は隣のクラスだからあれから会ってない
だから文句も言われないんだな
しめしめ……
「三山さんいる?」
―――しめしめ…
「ちょっ…桃果呼んでる!」
「え?」
興奮気味の香苗があたしの肩をバシバシ叩く
「はやくっ桃果っ!」
なになに〜
チラリと教室の外を見て、あたしは固まった
…………なんで?
「…香苗、あれだれ」
「誰って、っ!!」
間違った!だれじゃないや
なんで
「なんで白王子が桃果をっ!?」