「オレも、絶対おまえに負けないよ」 「……望むトコロだ。しい、行くぞ」 「あっ、うん」 佐伯くんはあたしの手を握ったまま、カバンを持って会場を出た。 繋いだ手が、震えていたコトをあたしは感じていた。 「……佐伯くん、大丈夫??」 「……ああ。悪い、痛かったよな」 佐伯くんは手を優しく握り返してきた。 あたしも、その温もりをぎゅっと包み込んだ。 「……佐伯くん、必ず優勝しよう??」 「……ああ。必ず勝つ」