佐伯くんの目は、本気だった。 本気であたしを、インターハイに連れて行ってくれる。 そう思えるような目だった。 だからあたし、一生懸命応援する。 必ず夢を叶えられるように、あたしもサポートする。 「……いよいよ始まるな」 「うん……そうだね」 「……ほら、もう大丈夫だ」 あたしの不安な気持ちををかき消してくれるかのように、佐伯くんはあたしの手をぎゅっと握ってくれる。 その温もりは温かくて、すごく優しかった。