「高校を卒業したら絶対に迎えに行くから」



「待ってていいの?」



「待ってて……必ず迎えに行く」



ケンのその言葉を聞いた瞬間、私の瞳から涙が溢れ全身の力が抜けていった。



2年と少し。



それは今まで一緒にいた期間よりもずっとずっと長い。



だけど……ケンがそう言うのなら。



顔を涙でぐしゃぐしゃにしながら、嗚咽交じりで私も言う。



「絶対に迎えに来てよ?」



「私、待ってるから!!」



冷酷に過ぎていく時間に背を押され、私達は反対方向を向いて歩き出した。



考えられないぐらい長い時間。



だけど、私はその言葉を信じる。



だから……だから……絶対に迎えに来てね。