教室に戻ってみると、私とアキナの席は意外に近かった。
「ねー!葵はさ、部活とか決めてるの??」
眠たい眠たい担任太田の熱弁の合間。
同じぐらい小さな体をぐいっと伸ばして、斜め前の席からこっちを見ているアキナの姿は本当に愛らしい。
「部活なんて……まだ全然決めてないよ。あ、でもせっかくだからいろんな事やってみたい!!」
そうなんだ。
人の輪の中に積極的に入っていこうって決めていた。
だからといって、消極的な私がこんな簡単に口にしてしまうとは思わなかったけれど。
そんな決意を後押しするようにアキナは言った。
「アタシもそう思ってたんだ~だからさ、これ行ってみない??」



