そんな日が続いた2月の終わり。



痛んだ胸もまたケンと一緒にいられる事で、傷ついた体をいたわる様に大切にしてくれる事で、癒え始めたように感じていた頃。



「高校卒業したらさ、葵と結婚したい」



そう言ってくれる言葉があれば、なんだって出来る!なんて思ってたある日の事。



「ただいま~」



いつもの様に、帰宅した家はがらんとしていて……そこには誰もいなかった。



お母さんは専業主婦。家にいないなんて事は本当に珍しい。



買い物でも行ったのかな?



しかし、そのまま時間は過ぎていき……時計の針が20時を指した頃、ようやく両親揃って帰宅した。



その顔は、なんだかとても憔悴しきっていた。